「むち打ち症の新事実」(最新ガイドライン) 
2011/09/27 Tue. 07:53 [edit]
厚生労働省研究班発表のガイドライン(案)では、脳脊髄液減少症患者(以下、患者)の3割が救済されるのではと我々は考えております。
それは、あくまでも起立性頭痛を大前提にしており、国際頭痛学会や日本神経外傷学会の診断基準ほど厳しくありませんが、30分以内に悪化する患者が対象になっているからです。
※国際頭痛学会発表の診断基準(国際頭痛分類第2版、以下 ICHD2)は15分以内。
患者にとって厳しいガイドライン(案)ですが、「外傷による脳脊髄液の漏れは稀ではない」との結論、そして「あくまでも保険適用をクリアにするためのガイドライン(案)作り」』との主任研究者である嘉山先生の発言を信じて、今回6月に発表になった研究班の成果は当会の総意として「第一段階の結論としては一定の評価をする」とし、この本でも詳細を書かせていただいております。
昨年、日本脳神経外傷学会は国の研究班がガイドライン(案)を発表する前に、独自のガイドラインを発表しました。このガイドラインは、国際頭痛学会発表の診断基準(国際頭痛分類第2版、以下 ICHD2)を下敷きにしたもので、あくまでも「低髄液圧症候群」にこだわり作成されたものでした。患者としては到底受け入れることのできないもの、というかICHD2と何ら変わりのない真似をしただけといわれてもおかしくないものでした。今回のガイドライン(案)に「低髄液圧症」が残されたのは、そのためです。
今回のガイドライン(案)は、日本発であり世界初です。
日本から脳脊髄液減少症の論文が多く出始め、研究班がガイドライン作成をしている最中、今年3月、脳脊髄液減少症の世界の権威(モクリやシービックなどの6人の医師)が、米国頭痛学会の機関誌『Headache』(『頭痛』)に「提言」として論文を発表しました。インターネット上で閲覧できるようになったのは、研究班のガイドライン(案)発表後の6月9日です。
この論文の内容は、現在のICHD2はもとより、現在の厚生労働省脳脊髄液減少症研究班が発表した診断基準案のものと比べてもかなり患者よりになっています。
そして注目するのは
ICHD2を作成した本人達モクリとシービック医師、更には国際頭痛学会のトップ中のトップ達までもがこの論文の6名の連名として名前を連ねていて次回のICHD2の改定時に以下の項目が新しいICHDになると書いています。
さらにその要約の文章が注目にあたります
和文(要約)
特発性低髄液圧症候群の臨床像および放射線画像は、きわめて多様性を有し、多くの患者は二〇〇四年の国際頭痛分類診断基準に合致しない。私たちは、この疾患の多様性から得られた症例を元に新しい診断基準を作成した。この基準は次回、国際頭痛分類診断基準が改定されるときに基準になるものである。基準は次の項目になる。
A 起立性頭痛(時間は問わない)。
B 以下のうち少なくとも一つを含む。
・低髄液圧(六〇㎜水柱以下)。
・硬膜外ブラッドパッチ後、持続的に症状が改善する。
・活動的な脊髄液漏出像が見られる。
・脳MRIで低髄液圧の所見がある(脳沈下または硬膜造影)。
C 硬膜穿刺を最近行なっていない。
D ほかの疾患によって引き起こされたものではない。
「起立性頭痛」を大前提としているのは、研究班のガイドライン(案)と変わりませんが、時間を限定していないところはガイドライン(案)よりも一歩踏み込んでいて素晴らしいと思います。
現行のICHD2(7.2.3項)のDでは、[硬膜外血液パッチ後、72時間以内に頭痛が消失する]と
表記されている。
またBの「硬膜外ブラッドバッチ後、持続的に症状が改善する。」は、ものすごく重要です。
ブラッドバッチをして改善すれば脳脊髄液減少症と認められるということです。
これで、ガイドライン(案)から漏れたグレーゾーン(症状はあるが画像に漏れが写らない)や小児の患者が救われる可能性が出てきました。
この論文の主要部分を公的な「本」として日本で活字になったのは、この新刊「むち打ち症の新事実」が初めてでしょう。医師にも確認しましたが、医学論文でも、でていないかもしれまないとの事でした。もし医学論文として一部和訳引用されたものがあったとしても、なかなか一般庶民、一般患者には目の届かないものであります。よって、解り易く、さらに多くの患者や庶民が理解できる公的な本は本書しかございません。
こうなってくると研究機関が2年を残す現在、「脳脊髄液減少症研究会(篠永先生会長 守山先生事務局長)のガイドライン考え方」に世界の考えが近いものとなってきている事を考えると、今後、患者にとってもこの提言をアピールすれば追い風となってくると思います。
30%の患者救済から50%の救済へ希望がでてきます。
世界の6名の権威の提言、この論文和訳の持つ意味はあまりにも大きいと思います。
『むち打ち症の新事実』は、脳脊髄液減少症の全てが詰まっています。
「脳脊髄液減少症」という病気の提唱により明らかとなった様々な社会問題や矛盾がわかる本です。
本書の第六章では、現状の問題の解決案を提示させていただきました。
お読みいただければと思います。
「文責 脳脊髄液減少症患者•家族支援協会」
それは、あくまでも起立性頭痛を大前提にしており、国際頭痛学会や日本神経外傷学会の診断基準ほど厳しくありませんが、30分以内に悪化する患者が対象になっているからです。
※国際頭痛学会発表の診断基準(国際頭痛分類第2版、以下 ICHD2)は15分以内。
患者にとって厳しいガイドライン(案)ですが、「外傷による脳脊髄液の漏れは稀ではない」との結論、そして「あくまでも保険適用をクリアにするためのガイドライン(案)作り」』との主任研究者である嘉山先生の発言を信じて、今回6月に発表になった研究班の成果は当会の総意として「第一段階の結論としては一定の評価をする」とし、この本でも詳細を書かせていただいております。
昨年、日本脳神経外傷学会は国の研究班がガイドライン(案)を発表する前に、独自のガイドラインを発表しました。このガイドラインは、国際頭痛学会発表の診断基準(国際頭痛分類第2版、以下 ICHD2)を下敷きにしたもので、あくまでも「低髄液圧症候群」にこだわり作成されたものでした。患者としては到底受け入れることのできないもの、というかICHD2と何ら変わりのない真似をしただけといわれてもおかしくないものでした。今回のガイドライン(案)に「低髄液圧症」が残されたのは、そのためです。
今回のガイドライン(案)は、日本発であり世界初です。
日本から脳脊髄液減少症の論文が多く出始め、研究班がガイドライン作成をしている最中、今年3月、脳脊髄液減少症の世界の権威(モクリやシービックなどの6人の医師)が、米国頭痛学会の機関誌『Headache』(『頭痛』)に「提言」として論文を発表しました。インターネット上で閲覧できるようになったのは、研究班のガイドライン(案)発表後の6月9日です。
この論文の内容は、現在のICHD2はもとより、現在の厚生労働省脳脊髄液減少症研究班が発表した診断基準案のものと比べてもかなり患者よりになっています。
そして注目するのは
ICHD2を作成した本人達モクリとシービック医師、更には国際頭痛学会のトップ中のトップ達までもがこの論文の6名の連名として名前を連ねていて次回のICHD2の改定時に以下の項目が新しいICHDになると書いています。
さらにその要約の文章が注目にあたります
和文(要約)
特発性低髄液圧症候群の臨床像および放射線画像は、きわめて多様性を有し、多くの患者は二〇〇四年の国際頭痛分類診断基準に合致しない。私たちは、この疾患の多様性から得られた症例を元に新しい診断基準を作成した。この基準は次回、国際頭痛分類診断基準が改定されるときに基準になるものである。基準は次の項目になる。
A 起立性頭痛(時間は問わない)。
B 以下のうち少なくとも一つを含む。
・低髄液圧(六〇㎜水柱以下)。
・硬膜外ブラッドパッチ後、持続的に症状が改善する。
・活動的な脊髄液漏出像が見られる。
・脳MRIで低髄液圧の所見がある(脳沈下または硬膜造影)。
C 硬膜穿刺を最近行なっていない。
D ほかの疾患によって引き起こされたものではない。
「起立性頭痛」を大前提としているのは、研究班のガイドライン(案)と変わりませんが、時間を限定していないところはガイドライン(案)よりも一歩踏み込んでいて素晴らしいと思います。
現行のICHD2(7.2.3項)のDでは、[硬膜外血液パッチ後、72時間以内に頭痛が消失する]と
表記されている。
またBの「硬膜外ブラッドバッチ後、持続的に症状が改善する。」は、ものすごく重要です。
ブラッドバッチをして改善すれば脳脊髄液減少症と認められるということです。
これで、ガイドライン(案)から漏れたグレーゾーン(症状はあるが画像に漏れが写らない)や小児の患者が救われる可能性が出てきました。
この論文の主要部分を公的な「本」として日本で活字になったのは、この新刊「むち打ち症の新事実」が初めてでしょう。医師にも確認しましたが、医学論文でも、でていないかもしれまないとの事でした。もし医学論文として一部和訳引用されたものがあったとしても、なかなか一般庶民、一般患者には目の届かないものであります。よって、解り易く、さらに多くの患者や庶民が理解できる公的な本は本書しかございません。
こうなってくると研究機関が2年を残す現在、「脳脊髄液減少症研究会(篠永先生会長 守山先生事務局長)のガイドライン考え方」に世界の考えが近いものとなってきている事を考えると、今後、患者にとってもこの提言をアピールすれば追い風となってくると思います。
30%の患者救済から50%の救済へ希望がでてきます。
世界の6名の権威の提言、この論文和訳の持つ意味はあまりにも大きいと思います。
『むち打ち症の新事実』は、脳脊髄液減少症の全てが詰まっています。
「脳脊髄液減少症」という病気の提唱により明らかとなった様々な社会問題や矛盾がわかる本です。
本書の第六章では、現状の問題の解決案を提示させていただきました。
お読みいただければと思います。
「文責 脳脊髄液減少症患者•家族支援協会」
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